十人十色恋模様
とりあえず……ということで場所を移動してきた私たち。


移動するまでの間、終始無言。


私は話せなかったというのが正解だが、仁くんは何を思っていたのかわからない。


「あの……仁くん」


やっとの思いで絞り出した声は、思いのほか掠れていた。


「双葉……俺から話してもいい?」


「う、うん!」


もちろんその言葉を否定するわけもなく、私は頷いた。
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