十人十色恋模様
カバンを持ってこちらに向かってくる前川くんが目に入る。


今から帰るのであろう。


ふと。


いつものように彼と目が合う。


互いにじっと見つめ、彼が私の横を通り過ぎるタイミングで目をそらす。


そして私はいつものように、振り返って彼を見る。


「……もう癖だな」


なんでこんなにも見てしまうのか、自分でも疑問だった。
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