十人十色恋模様
「……うん。柑奈ちゃんのためならいいよ」


私は言えなかった。


言ったら友達という関係が崩れる気がして。


せっかく出来た友人を失いたくなくて。


その後、私は彼女と田中くんをくっつけるために結構頑張った。


例えば、田中くんが宿題するのを忘れたといえば、柑奈ちゃんに見せてあげるように声をかけたり。


田中くんが一緒に帰ろうといえば、柑奈ちゃんも誘ったり。


私に出来る最大限のことをした。
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