十人十色恋模様
「木山さんは……」


前川くんの方をぱっと見ると、今度は口ではなく顔全体を手で覆っていた。


そして彼は言葉を続ける。


「木山さんは……とても素敵な人ですね」


「えっ!?そ、そんなことないです!」


「そう思ったんですから仕方ないじゃないですか」


前川くんは顔を覆ってた手を離し、真剣な眼差しで私を見つめる。


吸い込まれていきそうな気がした。
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