十人十色恋模様
「宇月くん。そのガム頂戴」


「え?」


私がガムをねだると、ピタリと喧嘩が止まる。


「え、え〜っと、それは無理です……これは
四季にあげるガムなんで。あ、こっちのガムならいいですよ」


彼はポケットから別のガムを取り出す。


見たところ普通のガムだ。


「でも私はそっちのガムが欲しいな。頂戴?」


再度要求をすると宇月くんは苦虫を噛み潰したような表情をする。
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