極上男子っ!?
櫂くんにかつがれて龍と呼ばれた人とあの場をでてきてから数分。

私は人気のない廊下につれていかれた。

そのまま櫂くんは私を段差に下ろす。

どうしても天くんが気になって私は櫂くんを見上げた。

「あの、さっきの人置いてきてよかったんですか?」

「天か?あいつなら心配ねぇよ」

そう言って櫂くんは私の前に立った。

そして私をじろじろと見る。

「ふーん…」

意味ありげに言われて私は訝しげに櫂くんを見つめる。

「な、なんですか…」

「かついだときも思ったけどお前ちいせぇ」

「んなっ!」

わなわなと震える私。

その横で龍さんも小さく笑っている。

たしかに小さいほうですけど!

そんなまじまじと見ていうことじゃないよね!?

初対面でいきなりなに言うのこの人!

恨みのこもった目で見ていると櫂くんの顔に切り傷を見つけた。

ケガ、してる。

ふと脳裏に机を支えてくれたのを思い出した。

ひょっとしてあのときなにかで切ったのかな…

そうと決まったわけじゃないけどなんとなく申し訳なくなって私は持っていた絆創膏を櫂くんに押しつけた。

櫂くんは不思議そうに私を見る。

「ケガ、してるので…あっ、ありがとうございましたさよなら!!」

それだけ言って私は走って逃げていく。

「おい!」

後ろから声が聞こえたけど私は振り向かなかった。



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