なみだくんの日々
でも、数日後
つきあえないって断った。

「知らなかったよ、もえこ。
しゅんくんに彼女がいたこと。
ささくん教えてくれなかったもん」


もえこは泣いた。
泣いて泣いて、小さい女の子の
ように震えていた。

もうダメ。

ノックアウト。

これが、本当の女の子の涙なの?

抱きしめて
抱きしめて

俺がいないとダメだって
思っちゃった。

それでもメイと会っていた。
どうしても、メイに言えなかった。

言える雰囲気にさえならなかった。

変わってはいけない時間のようで
ずっと、言い出せなかった。

いつしか、グレープフルーツの香水を
後ろめたくなってしなくなっていたのに。

ごめんね。
メイ。

何度もメールに
ごめん
という文字を打っていた。
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