【完】雨恋〜雨上がりの空に恋をする〜
WEEK.3
「3週間、ありがとうございました。この経験を生かして立派な教師になれるよう頑張ります。」
教室中が拍手の音で埋め尽くされる。
今日、先生が教育実習の期間を終え大学へ戻る。
最後の日、先生と当たり前のように会える最後の日。
私の心臓は、いつになく暴れていた。
最後のあいさつも終わり、終礼が終わる。
そわそわしている私のもとにみっちゃんがやってきた。
「最近帰るの早いけどなにかあるの?」
「別になにも。」
「なにかあるでしょ。」
「……先生に。」
「先生に?」
「先生にプレゼント用意してて……。」
「プレゼント?なにそれ。」
「お、まもり作ってて。」
「……健気過ぎて泣けてくるわ。」
「なによ!」
「いや、雨は手先器用だし。いいんじゃない?」
「いつになくみっちゃんが素直。」