【完】雨恋〜雨上がりの空に恋をする〜

受け取ってもらえるかな。
分からないけど、笑顔で受け取ってもらえたら私。
言うんだ、好きですって。


「まあ、決めたなら頑張っておいでよ。慰めにケーキ奢ってあげるから。」


「なんで振られる前提なのよ。」


「なんとなく。」


「もう!行ってくる!」


みっちゃんと話してたら自信喪失しそう。
暗くなることしか言わないみっちゃんから逃げて先生のもとへ走る。


あいさつ回りしてるだろうし校舎にはまだいる。
走っているのも合って動悸がすごい。
今から告白するって思うと心臓がびっくりするほどドキドキしてる。


告白なんてしたことないし。
自分の想いを相手にぶつけるなんて初めて。


虎も、私に告白するときこんな感じだったのかな。
……すごい。頑張ったんだ、虎。


今は、私が頑張る番。


ドキドキする。
自分の呼吸の音が良く聞こえる。
少し、目が潤んでくる。泣きそうなのかも。
でも、視界はクリア。
脳内もすっきりしてる。


変に喉が渇く。
でも今、なにもお腹に入れたくない。
心と身体がバラバラ、居心地が悪い。
でも、気分は悪くない。


人気の少ない廊下。


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