【完】雨恋〜雨上がりの空に恋をする〜
変わらないこの想いを、私は持ち続けている。


電車を乗り継いだ先に白峰高校はあった。
ブラウンの独特の制服を着た生徒達が校内へ入っていく。
今日からこの子たちに勉強を教えるのか……。


私はそのまま職員玄関へと足を運んだ。
職員玄関の入り口、靴を脱いでいる人の姿を見つけた。
挨拶、しなくちゃだよね……。


「お、おはようございます。」


少し震えた声で挨拶をすると。
その先生はこちらを振り向いた。


「おはようございます。」


その笑顔を見た瞬間、懐かしい胸のときめきを感じた。
この感覚、久しぶり。
どくどく、心臓が脈打つ。
泣きそうになる感覚をこらえつつ、平静さを保つ。


やっと……やっと、会えた。
同じ場所にたってあなたに会いに来られた。


「新任の先生ですか？」


7年の年月は私を変えて。
先生は、私に気付いていなかった。


それくらい大人っぽくなりましたか？
先生も、先生っぽくなって。
もっと、かっこよくなりましたね。


スーツがもっと似合うようになって。
でも、他は変わらない。



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