【完】雨恋〜雨上がりの空に恋をする〜
これなら100点だって取れそうな勢いだよ。
バレないように教科書で顔を隠しながら先生を盗み見る。
あ、横顔もかっこいい。
右目の下にほくろ発見。
泣きぼくろっていうやつだ、ちょっとエロいかも。
足、長い。ていうか、スーツ似合う。
はあ、かっこいい。
「せんせー!先生って彼女いるんですか~?」
その日の授業は少し早めに終わって。
残りの10分、先生への質問時間へと切り替わった。
「います、って言えたらいいんですけど。
残念ながらいないんです。」
眉を下げながら笑う先生。
彼女いないんだ、ラッキー。
質問した人、ナイス!
「じゃあ好きな人は?」
「大学が忙しくてそんな暇ないですね。」
好きな人もいない。
ふむふむ、これはかなりチャンスなのでは……?
「先生はこの学校に就任したいの?」
「いえ、いずれは母校へ就任したいと思っています。」
「先生の母校って~?」