【完】雨恋〜雨上がりの空に恋をする〜
WEEK.2
「今日も先生と話せたよ~。」
「ほんと単純ね。」
放課後、ファストフード店に立ち寄ってみっちゃんと座談会。
今日の私の先生の報告と、それをうざったそうに聞くみっちゃん。
先週に続いて今日の金曜日も開かれていた。
「この10日間で少しは仲良くなれた気がするんだよね。」
「見てたら気付く。」
「だよね~。」
そう、私と先生。
結構距離が近くなった気がする。
授業で当たる回数もなんか増えた気がするし。
資料を運ぶ係にも指名がかかるし。
相変わらず雨さんって呼んでくれるし。
これはもしかして、脈ありってやつかもしれない。
「教育実習先っていう不安な場所で自分に懐いてくれる生徒がいたらそりゃあ大切に扱うでしょ。やりやすいし。」
「またそんな事言う。」
「ほんとの事だもの。」
「現実突きつけなくったっていいじゃん……。」
みっちゃんの言う通り。
さっきのもだいたいは私の妄想と願望で。
本当は先生の行動に深い意味がないことくらい分かってる。