【完】雨恋〜雨上がりの空に恋をする〜
懐いてくれる生徒がいたら、そりゃあ優しくするし。
歓迎してないような生徒を当てて気分悪くなるより。
名前呼びを許してくれるような私を当てたり、手伝いをさせる方が。
効率的だし、何より気を遣わなくていい。
利用されてる、なんて言ったらいい方は変だけど。
都合よく扱われてるのかなって思ったりはする。
でもそれでもいいの。
それで先生との距離を縮められるんだったら。
利用だろうが、手伝いだろうがなんだってこいって感じだよ。
好きなんだもん。
頑張れるの、今だけだし。
好きだから出来る。
好きな人のためだから頑張れる。
恋のパワーってすごいんだから。
「そういえば、虎が来るって。」
「え、なんで?」
「雨がいるって言ったから?」
「答えになってないそれ。」
噂をすればなんとやら。
虎の名前を出して数分後、本人がこの場にやってきた。
「雨がいるって聞いたから来たんだけど!」
「なんで来たの。」
「雨がいるから。」
「どっちも答えになってないし……。」