君と僕の21日間
「は?え?なんで? いてっ」
飛び起きた瞬間、寝すぎたせいか頭を硬い棒で殴られたような痛みが生じた。
だけど、そんなことを気にする場合じゃなかった。
慌てて、鞄を漁り、折りたたみ財布のカードポケットから紙を取り出した。
榛名美琴のLINEIDだ。
あの日、榛名が死んだ日に送ったLINE。
何度見返しても既読にはならなかった。
まだイタリアかなとか、時差ボケで寝てんのかなとか、スマホ壊れたのかなとか考えて、どうせ明後日には会えるしいいかと諦めた。
榛名が亡くなって、返事が来ないまま奥底へと沈んでいったトーク。
それを、今、彼女からの謎のメッセージが届き、また見ることになっている。
LINEの名前は、Mi となってるが、彼女のLINEなのは確かだった。
教えて貰ったIDを検索し、友達登録を一番最初にしたんだから嫌でも覚えてる。何より自分が送ったLINEがそれを証明していた。