君と僕の21日間
母親が作ったポテトサラダはゴロッとした大きめのじゃが芋とゆで卵と胡瓜にマヨネーズ、塩胡椒、酢を入れただけのものだ。

小さい頃何も食べない時もこれだけは食べたのよ、と聞かされ続けたせいか、作り方まで覚えてしまった。

確かに今でも好きだけど、世界で一番美味しいポテトサラダかと言われればそうでもない。
これより美味しいポテトサラダを食べたことがある。

そんなことを考えながら、温め終わった料理をテーブルに並べるとなかなか豪華な昼飯が出来上がった。

と言っても、昨日の夜ごはんの残りだ。

共働きの我が家では、母にとって夏休みは苦痛だろう。

中学生になってからは、1人留守番させられるようになったが、ほとんどの日が部活だったので孤独を感じることはなかった。

高校の夏休みは、ひたすら家でだらけている息子のために前日の夜多めに作った食事を昼飯用に置いてくれている。

後者は不健康に思うが、毎日ドロドロになったユニホームを持って帰ってこなくなっただけでも親孝行なんじゃないかとも思っている。
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