君と僕の21日間
「あーそうだっけ。楽しんで来て。」
「当たり前よ!このために今日まで生きて来たのに!」
大げさなオバさんだ。
「なぁ、餃子のタレってないの?」
「あれ?出てなかった?使い切ったのかな?
醤油と酢で作れるわよ。」
別にそこまでしなくていいんだけど。
返答はせずに、黙々と食べていると母親が向かいに座った。
「あんたもさ、たまには外に出なさいよ。
夏休みまったく外出してないでしょ。
部活も入らなかったし、どーしたのよ。」
いつになく、真面目な顔だ。
こういうとき、アイドル好きのオバさんでも、やっぱり母親なんだなと思う。
昔はうざくてたまらないと思う日もあったし、空気読んで黙っとけよと思う日もあったけど、今はもう、
ああ、そっか。
と思う。
ああ、そっか。
母さんにも気づかれるくらい、今の自分はダメなんだ。