君と僕の21日間
夏まつり
ブーブー!

「うおっ!」



ポケットで震えるスマホにすらビビる。
こんな非現実的なことのあとはやめてほしい。



『昴 着信』


「はぁ、びびらせやがって、、、なに?」


「あ、出た。おぃーっす。たけちゃん何してんの?いま。」


「ええ!なんだよ、何してたっていいだろ?」

「何焦ってんの?
今日の夜、夏祭り行くベー!」

「祭り?え?今日何日だっけ?」

「8月1日だろ。将現の祭り忘れんなよ。」



地元の将現神社で毎年行われる小さな祭りだ。

毎年幼馴染の昴と小学校からの同級生たちと行くのが決まりごとだった。

中学に上がると、ちらほらとカップルになっていく奴らがいて、結局3年間皆勤だったのは、俺と昴くらいだった。


「今年は誰がいるの?」

「たけちゃんと春彦と勝とジョージと俺。」

「あれ?全員じゃん。珍しいな。」

「そ?5時に勝んちに集合でいい?」

「いいよ。」

「花火買ってこいよー!祭りの後すっから!」


そう言い残し、昴の電話が終わった。



花火か。

金持ってないし、一回家に帰って、勝の家に行く前にコンビニでも寄るしかないな。


家に戻りながら、墓から遠のけば遠のくほど、さっきの出来事がなかったかのように、現実に引き戻されていった。
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