君と僕の21日間
「そういう昴だって部活入ってないんだろ?」

「おれはいいのー。中学の時も自称バスケ部だったし。」

「なんだよ、自称って。」

春彦がフォローするように会話に加わった。

「おいおい、揉めるなよ。せっかく久しぶりに集まったんだから。」

「くっそー、ダメだったわ!まじ、かあちゃんケチ!

あっ、たけちゃん来たんだ。なんか飲む?」

大股でおっさんのように廊下を歩いて来た勝は、白い歯を見せて笑った。


「全滅だな。やっぱ、今日は花火は諦めますか。」

「なに?」

「勝がオバさんにねだって花火買う金貰う予定だったんだけど、無理だったの。」

「ああ、そういうことね。
まーいいじゃん、そろそろ行こうぜ。」

「たけちゃん、コーラ持ってけよ。」

勝は、ペットボトルのコーラを放り投げた。
水滴が滑って落としそうになるも、キャッチする。
中の液体がシュワシュワと音を立ててるのがわかる。

「あぶね、爆発するじゃん。」

ゆっくり蓋を回して炭酸を抜いて、乾いた喉に一気に流し込んだ。
冷えた甘い炭酸が喉をピリピリさせて通り抜ける。

「あーうまっ!」

「しゃ!行くべ!出店で何買うー?」

「おれ、たこ焼きー!」

全員が揃って、神社まで歩き始める。
なんだか、久々に楽しい。
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