最初で最後のラブレター





私が君についた、最初で最後の嘘。




「私、好きな人はいないよ。」




君に、「好きな人おるん?俺は───」って言われた時の返事。




君の言葉を遮って、私は君に嘘をついた。




怖かった。




私は、その先の言葉を知ってたから。




君の友達がね、教えてくれたの。




「お前のこと好きって言ってた。」って。




嬉しかったけど、怖かった。




私弱虫だったからね、いつか君に別れを告げられるのが何より怖かったの。




君は、誰かを傷つけるような人じゃないことは、私が1番わかってたのに。




ごめんね。




君についた最初で最後の嘘。「好きな人はいないよ。」




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