あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。
◆◆◆

「やっほ!翔琉!今日も終わったら会いに行くんかー?」

俺より先についていたらしい広音が声をかけてきた。

「まあ、そりゃな」

「ははっ!懲りひんなぁ。俺は二限から予備校行くから、おさらばやな!応援はしてるで!」

まだ授業が終わってもないのに、手をひらひらとふってくる。

「ったく…。そういや、宇宙飛行士になる夢は順調なんかー?」

「はははっ!翔琉くん、授業はじまりますよ〜」

「あ、逃げんなよ」

広音の言う通り、その直後、設定されたチャイム音が鳴り、授業が始まった。
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