あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。
君のことを知りたい
翔琉side.
まだ誰もいない塾の教室。
椅子に座り、一人大きなため息をつく。
あれから何日たった?
あの子に会えなくなってから。
いや、正確に言うと覚えている。忘れるわけがないんだ。
最後に会ってから、もう二週間が経った。
その間、一度だって会えたことは無い。
俺は同じ日常を繰り返しているのに、あの子と出会う時間はすれ違うばかり。
あの子と出会って、ため息をつく回数が明らか増えたこと。モヤモヤとした異物がどんどん溜まっていくこと。そんなことから、もうこの気持ちが一体何なのか、なんてこの二週間でうんざりするほど分かった。
だから先に進みたいのに。
会えないと、元も子もない。
「やっほーい!翔琉!今日早いな!」
機嫌の良さそうな広音が二番乗りで入ってきた。