あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。
翔琉はというと、最近は十時半ごろには帰ってくるようになった。

十時まで塾に残るようにしたと聞いた時、今まで私のために遅くまで残ってくれていたのかと、そこで初めて知ったのだ。
ここまでしてくれるのは、きっと翔琉しかいないだろう。
家のことだって、本当に感謝しかない。

翔琉は私の恩人だと、そんなことを思いながら平穏な日々を過ごしていた。
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