あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。

次の日。
背中にはいつもと違う可愛らしいリュックサックを背負った海光と、重そうなスクールバッグを持つ翔琉を見送り、朝ごはんの片付けも終わらせた。

洗濯干しを手伝っていると、千佳さんは私に微笑みながらこう言う。

「光希歩ちゃん。今日車で買い物にでも行こうと思うんやけど、一緒に行く?ついでにお昼ご飯でも食べようや」

これは大体、一週間に二度は言われる。
なんとかして、私を外に連れ出したいのか。それが健康なことはわかるが、そもそも私は無駄な外出を控えたい。

「いえ…すみません」

俯きながらそう答えた。
銀色の脚についているミサンガは、まだひとつも汚れていない。

「そっかあ。じゃあ、お昼何か買ってくるな。だから作らんくてええよ。ゆっくりしといて」

はい、とだけ言って精一杯微笑み返した。
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