あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。
それから言い合いの日々が続いた。
大概、俺が言い負けるか、光希歩が部屋に閉じこもるか、海光ちゃんが止めに入るかで口喧嘩は終了する。
俺は、あまり自分の意見を押し付けないようにと丁寧に説得しているつもりでいたが、深い傷を負った光希歩に、上手く伝わってはくれなかった。
しまいには、昨日話しかけようとした時、全速力で部屋へ逃げられてしまった。
放っておいてほしい気持ちはわからなくもない。
でも、いつまでも無職で学校にも行かないのは、これから何十年と生きていく上で厳しいと思う。
俺はもう、光希歩に「いつ死んでもいい」など言わせたくない。
生きていてほしい。
生きているのが素晴らしいことだと、明日がくるのが楽しみだと、そう言ってもらいたい。
だから今日もしつこく光希歩に声をかけた。