あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。
「光希…」

「翔琉、私なんかに変な期待しないで…」

俺の言葉を遮るようにして立ち去ろうとする光希歩。
しばらく、ろくに話もできていない。

俺は、光希歩が本当に、心の底からこのままでいいと思っているのかわからない。
光希歩が言ってた原発問題でわかったんだ。正面から向き合う大切さを。
しつこいって、めんどくさいって、考えを押し付けんなってわかってる。
だけど、向き合わなければわからないんだよ。
光希歩、逃げないで。

「期待してるわけちゃう…」

「ならなんで…!私は、社会に出たところで見下されるだけなのよ!辛い思いをするだけなの!」
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