あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。
「は、はい…」
すると受付の人と同じ格好をした女性が入ってきた。
「あ、岸元さんですね。……おめでとうございます!一次審査通過しました!次、面接ですけど、もう準備できてます?」
「え?あ…はい…」
「じゃあ行きましょうか」
あまりのスピードに、瞬時に理解が出来なかった。
一次審査…通過?
ということは…私の歌は合格したんだ。
私の歌は認められたんだ!
今までにない、胸の奥からじわじわくる感情に、私は思わず笑みがこぼれてしまった。