あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。

七月七日、翔琉の誕生日プレゼントを買いに、一駅向こうのデパートまで一人で行ってみた。

私は短パンを履き、堂々と脚を見せて歩いた。
血色のない脚があるからなに?
他の人と少し違うからなに?
別に、他人に悪い影響はない。
私は私。他の誰でもない。
これは私の、あの日の傷痕。
一生…いえ、その先も忘れないための印。

そうすると、案外人に見られていないこともわかった。
だって、この世にたくさんいる中の一人。
そこまでじっくり見ていられるわけがないんだ。

こんなに前向きになれたのは、きっと翔琉のポジティブ思考がうつったおかげだろう。

感謝の気持ちを込めて、頭を悩ませながら選んだプレゼントは最新型と書かれたシャープペンシルと、上等そうな一枚の布。

幼い子供のように思えるだろうが、ちゃんと一人で買えたことが嬉しかった。
< 204 / 240 >

この作品をシェア

pagetop