あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。
翔琉は教育大学に進学するため、以前と同様、十一時まで塾に残るようになった。
私も負けじと筆を執る。
そう、それが私のもう一つのチャレンジ。
オーディションでオリジナルの曲を作り、歌うこと。
幸い、近所で仲良くなったおばさんたちの中にピアノの先生がいたので、手助けしてもらえることになった。
作詞は自分で考える。
難しかったけれど、だんだんと伝えたいことが浮かんでくるようになった。
私の気持ちを最大限に込めて。
目一杯ノートに書き込んだ。