あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。

外や他人は知らないことばかりだと思ったけれど、自分自身のこともまだまだ知らないところが沢山ある。

誰かに言われて初めてわかる私があったりもする。

何かをする上で、これなら出来ると思ったことでも案外難しい場面が幾度となくあった。

そこで初めて、ああ自分は、これが苦手なんだなと、自分について知らなかった部分が見えてくる喜びも味わえたんだ。

生きていることに疑問をもつほど、大嫌いだった自分から、良いところを沢山見つけられて少しずつ好きになってきた。

生きていることは幸せなことだと、ありがたいことだと、ようやく私は理解することができたんだ。
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