あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。
そんな幸せな日々が流れ去っていくのを惜しく思うこともある。
でも、明日どんなに楽しいことが待っているのかと想像することが堪らなく楽しかった。
幸せが過去になるのなら、自ら明日の自分を幸せにしてやろうと思えた。

幸せのあとは必ず不幸やってくる。一時はそう思っていた。

ならば、その先は?
不幸のあとは必ず幸せがやってくるんだ。
悔しさのあとに成功が待っているように。

人生は不幸と幸せの繰り返し。
その中で、どれだけ幸せを自分の中に取り込めるか、それが重要なんだ。

だから私は、人々は努力する。
努力したあとの幸せは一生自分の中に残るから。

忘れたい記憶も、次に繋がる力となるから。

それを心に刻み、オーディションまでの期間、私は様々なことに挑戦し、失敗と成功を繰り返した。
自分らしく、ゆっくりと遠回りしてでも、前を向いて歩き続けた。
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