あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。
都会でも田舎でもない微妙な街が流れていく様子を、一瞬たりとも見逃さないようにして眺める光希歩。
俺もその景色を目に焼き付けた。
当たり前のようにあるこの平凡な街も、いつなくなってしまうかわからない。
どんなに田舎でも、どんなに都会でも、どんなに平凡な街でも、そこは誰かの大切な居場所。
無くしたくない。
だから俺達が守るんだ。
そしてそれを伝えるんだ。
流れる景色は、やがて大きな建物に囲まれていき、大勢の人が乗り降りする駅で降りた。