あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。
平日にも関わらず、そこは人で溢れかえっている。
その中をしばらく歩いてオシャレなお店で昼食を取り、たまたま見つけた可愛らしい雑貨屋さんで、光希歩の欲しそうなケータイケースを買ってあげた。
本当にデートのようになってきて、少々のぼせてくるも、本来の目的は忘れない。
「これがメインじゃないねんで。もっかい電車乗ろ!」
光希歩はただ俺についてくるように再び電車に乗車する。
人や建物は少しずつ減っていき、それがどこに向かっているかは、光希歩にはわからない様子だった。