あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。
今の光希歩の世界は、光と希望に満ちている。
人工的な光に照らされていた少女は、陽の光に照らされ明日へ向かって、眩しいほどに輝いていた。
潮風になびく艶めいた髪。
銀色の脚はしっかりと地に足をつけ、前に向かって踏み出している。
振り向いて、照れくさそうに微笑む彼女に、俺は涙が流れた。
そこに、今年もあの日を思い出させる音が、九年目を知らせる音が、国中に響く。
俺たちは何も言わずに目を閉じた。