あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。




*あとがき2*
(作家の皆様、読者の皆様へ)



災害をテーマとした場合について。(個人の意見)

「災害のシーンは、実際に被害にあった方々のことを考えて、あまり書かないようにしています」と言う人が、作家様の中には多く見受けられると思います。

そんな中、私は『あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。』で、災害の様子を細かく文字に表しました。

読者様がもし、これを読んで辛くなったらどうしようか、本当に細かく書くべきなのか、と迷った時もありました。

ですが、私は詳しく書くことに決めました。
それは、私自身がその災害のことについて、ほとんど知らなかったからです。

大変失礼だとわかってはいますが、私は『こういうことがあった』だけの認識でいました。

もちろん、心配したり、被災者の方がテレビに映る度に胸が締め付けられる思いでいましたが、結局、私は何も知らなかったのです。

辛かっただろうな…、と。ただそう思い込んでいました。

しかし、そんな言葉で被災者の方の気持ちを表すことなどできないと思い知らされる出来事が自分の身に起こったのです。

それは地震でした。

怖くて怖くて、夜も眠れないという経験を初めてしました。

これが、『辛い』の一言で表せるか?と。


もしかしたら、あと一秒後、唐突にまた地が揺らぐかもしれない。
今度こそ、死を迎えるかもしれない。
家が崩れたらどうしよう。
家族がいなくなったらどうしよう。

不安でいっぱいでした。

ですが、その恐怖は、経験したほんの一部の人しか知らないかもしれない。

この世界に生きる大半の方々が、以前の私と同じ思いでいるのかもしれない。

だって、私は知らなかったのだから。
この恐怖を経験しろとは言いません。
むしろ、経験してほしくないです。

だから、こうしてお話を通して、まだ知らない人のために知る機会を。そして生きている幸せを、思い出して欲しかったから。
だから、こうして書き上げました。


東日本大震災というものを、私は経験していません。
経験していないのに、何も知らないくせに、この事故を利用するな。と思う方も中にはいらっしゃるでしょう。

そうです、知らないのです。
ほとんどの方が、知らないのです。
だから私は知りたかった。


何度も何度も、本やサイト、沢山のものを使って調べました。
繰り返し動画を見ていると、頭が痛くなって軽く寝込んだこともありました。

それでも、これからどんどん生まれてくる、何も知らない次の世代の子供たちや、なにかに悩んで苦しんでいる方々に伝えたくて、諦めることなく書き続けたのです。


それは、この話を読んで、応援してくださった方がいてくださったからこそ、更に頑張れたと思っています。

これは個人の意見ですが、時には災害や事故を詳しく書く必要もあると思います。
そして、それを読み、あなたが今この文章を読むことができていることは幸せなことだと、思い出してもらえるように。

私たちは、伝えることができるのです。
作家なら尚更です。
自分が伝えたいことを、伝えるために。

災害について、詳しく書くべきか迷っている方々。
詳しく書かない方が被災者のためなんだ。とは思わないでください。

読みたくない方もいるでしょう。
気分が悪くなってしまう方もいるでしょう。

ですが、私と同じように、知りたいと思う方も沢山いらっしゃいます。

それは悪意ではなく善意です。

知って、改善策を立て、前に進みたいと思っている方もおられるはずです。

自分が何を伝えたいか、書くか書かないか、どれが最善か、自らの心に問うてみてください。

上から目線に感じられたら、本当に申し訳ありません…。

それでも、誰かの力になれたのなら幸いです。
わざわざ最後までお読みくださり、本当にありがとうございました(*ˊˋ*)

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