あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。
ゆっくりとガラス張りの扉が開かれる。
人工的につくられた光に煌々と照らされながら現れたひとりの少女。
軽く縛られていた髪も、今はおろされている。
いつも見ている姿も、今日は一段と綺麗に見えた。
胸下まで伸びた艶やかで綺麗なストレートの髪。
透き通る水晶玉のように大きく垂れた茶色い瞳。
扉を開けるその腕は弱々しいほど細くて。
桃色の無地のパーカーが良く似合う。
その下の紺色のショートパンツから見えるのは、腕よりも細い……───
銀色に輝く右脚。
え?
思考が一瞬停止した。