あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。
私は二年生になった。
順調に引越しの話が進んでいた中、夏休み頃から母の体調が悪くなったのだ。
料理を作っている時に、いきなりトイレに駆け込んで嘔吐することなど、日常茶飯事。
そんな母を手伝い、やっと体調が良くなってきたと思われた頃、母に言われた。
「光希歩。あなた、お姉ちゃんになるのよ」
ずっと一人っ子だった自分に弟か妹ができると知り、とても嬉しかった。
三月頃に生まれるとわかり、三学期から福島の学校に転校することが決まった。