あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。
「カク、大丈夫?そんなに走ってきたの?」
「…はぁ…はぁ…あれ、アズは?」
「アズちゃん、さっき帰ったよ」
「あぁ、そうが」
そう言ったカクはキョロキョロと周りを見回し、私を見つめてきた。
「キホぢゃん、誕生日おめでどう」
「あ、ありがとう」
どうしてこんなに改まっているのか。
どうして今日、二人はこんなにも怪しげな行動ばかりするのか。
小学校三年生でも、さすがにわかる。
「ねぇ、今日どうしたの?アズちゃんもカクも変だよ」
すると、カクが海へと視線をそらした。
「計画しでだがらな」
「え?」
計画?
何かサプライズでもしてくれるのだろうか。
「こだもの…プレゼントって言わねぇがもしれねぇが…」
こんなもの?
すると、カクの泳いでいた視線が私と重なった。
「俺、キホぢゃんが、好ぎだ」