あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。

そこには悪魔と化した海があった。

濁りに濁った海。

大好きな海までも、自然の猛威を振るって、私たちを襲ってきた。

轟々と音をたて、たくさんの家々が丸ごと流れてくる。

ほんの数メートル先の自販機が呑み込まれた。

どうしてここで死ななければならないの?
どうして私たちはこんな目に合わないといけないの?
どうして私の誕生日に、大好きな人たちを、街を巻き込んで死ななければっ!


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