あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。
絶望的な目覚め
もっと生きたかった。
もっと話したかった。
もっと遊びたかった。
『キホぢゃんは?』
その答えを。
伝えたかった。
大好きな家族。
大好きな友達。
大好きな街。
大好きな景色。
大好きな人。
死んだら、また会えるかな。
…嫌だ。皆、生きて。
生きてまた会いたい。
─────うぎゃぁぁぁ……
ああ、懐かしい声が聞こえる。
─────ぎゃぁぁぁ……
泣かないで。
大丈夫よ。
お姉ちゃんはここにいるからね。
─────あぁぁぁ…
…違う。
私が声のもとへ行かなければいけないんだ。
どこ?ここはどこ?
真っ暗。
少し苦しい。
お母さん?お父さん?海光?カク?みんな?
どうしたの?
何があったの?
私、死んだの?
すると周りがだんだんと明るくなった。
白い光に包まれた。
天国に行くの…?
いや。
いやだ、待って!!
─────ぎゃぁぁぁ
私は。
その声を掴んだ。