あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。のレビュー一覧
平均評価星数
5.0
2018/10/08 00:13
投稿者:
フェザーフォルテ
さん
一歩、光の方へ
気になる情報が徐々に出されていく序盤に引き込まれて、最後まで読みました。 なかなか心を開けない光希步は突き放しても近付いてくる主人公に押され、沈むような暗い過去を話してくれます。 そんな過去から光がさす方へ引っ張り出してくるような主人公の明るさに救われました。 普通の人なら手を離してしまいそうなところ、一歩踏み込む明るさがいいなと思います。 そこからは一歩ずつ、それでも充分眩しい世界が開けてきました。 何事も知らなければ始まらない、知るためにその先へ踏み出したい、と前向きな行動力を呼ぶストーリーです。
続きを見る
2018/08/20 16:04
投稿者:
寿すばる
さん
生きる痛みと、喜び
震災で辛い思いをした光希歩と、彼女に出会った翔琉。二人の心と距離が少しずつ変化していく様子を、連載開始からただただ、追いかけました。完結作ではじめて読んだら、きっとイッキ読みしてしまうと思います。 311では津波被害の隣県で被災したので、地震や津波、いじめなどの生々しい場面に苦しくなる気持ちもありましたが、それは逆にとてもリアルに描かれているからで、だけど最後まで安心して読めたのは、きっと救いがあると信じられたから。 作者の、作品への真摯な想いが詰まっていて、作品に感動するとともに、その想いに感動です。 甘々のワクワク楽しいお話ではないです。でも、光希歩の勇気と、翔琉の優しさ、側に居てくれるひとたちの大切さに、心が温かくなって、前を向いて歩いていこうと思える、そんなお話だと思います。 いま何かに悩んでいたり、迷っていることがある人に、読んでみてほしいなと思います。
続きを見る