【完】スノードロップ ~希望~
そして、柚季が奏多に全部話し終えた。

「はぁ?なんだよ、それ」

珍しく奏多が取り乱していた。

「何って何が?」

「病気のことも余命のこともすべてだよ」

「聞こえなかった?私は生まれつきの心臓病で、余命1年。わかった?」

「……なんだよ、それ」

「はぁ~。奏多はいつからバカになったの?頭、よかったのに」

さっきから柚季の言動は冷たかった。

多分、大切で大好きな奏多を傷つけたくないんだと思う。

だから、冷たく言って突き放そうとしてるんだ。

今、柚季はどんな気持ちなんだろう。

「そういう意味じゃねぇーだろ」

「もういいから出てって。もう用は済んだでしょ?菜々美と悠真も帰っていいよ。ありがとうね、いろいろと」

「柚季……」

「奏多は出てって」

柚季は下を向きながらそう言った。
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