【完】スノードロップ ~希望~
「……わかったよ」

奏多もそれを察したかのように病室を出た。

「じゃあ、私たちも帰るね」

「うん、バイバイ」

……今、バイバイが“さよなら”って言ってるみたいに聞こえた。

……柚季はわかってるんだ。

もう自分の命が持たないことを。

「なんで帰るんだよ」

悠真が小さくそう呟いた。

「いいから2人共、私についてきて」

そうして私は、2人を自分の家に連れてきた。
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