【完】スノードロップ ~希望~
「だとすると、なんでだろう?」

あぁ……。

もう無理かな……?

「!まさか……」

「?どうしたんだよ、菜々美」

「絶対、柚季から離れないでね!」

「あっ、おい!」

あーあ。

やっぱり。

こうなると思った。

菜々美は他人の弱みを握るのが得意。

で、その人の事情なども知っている。

物知りさんってところかな?

おまけに頭いいし、記憶力がすごいから一瞬でわかってしまうんだろうなと思ってた。

茂神さんのことについても。

「なんだよ、あいつ」

ピコンッ

「?メッセ来た」

「誰からだ?」

「菜々美」

内容は、悠真にあてられたものではなかった。

“今、M.Yを探してるから、安心して”

案の定。

「誰だ?M.Yって……」

「……さぁ?」

私、嘘つくの得意だけど、奏多がいるからつきづらい……。

これ以上何も話さないで……。

そう心の中で必死に願っていた。
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