【完】スノードロップ ~希望~
「柚季~。買って来たぞ~」

「あっ、お帰り!ありがとう、2人共」

「これでいいんだよな?」

奏多が一輪の花を差し出してきた。

「うん」

「でもなんでこれなんだ?」

「花言葉が好きなの。贈り物にすると、怖い花言葉になるんだけど……」

「花言葉は?」

「慰め」

「へぇ~」

まぁ、もう一つあるんだけどね。

「それより菜々美、どこ行ってたんだ?」

「ちょっとって言ったでしょ?それ以上は何もない」

「……そ」

菜々美と奏多を2人きりにさせるのは危険だな。

「そういえば、そろそろテストか……」

私がポツリと呟くと、悠真が反応した。

「あっ!やべぇー。俺、勉強してねぇ……」

「俺も……」

「奏多も悠真も頭いいじゃない」

『柚季を超す
    超すんだ』

2人が同時にそう言った。

「うふふ。頑張れ」

あまりの真剣さについ笑ってしまった。

「じゃあ、俺らは帰るわ」

「うん、バイバイ」

そう言って、悠真と奏多は帰っていった。

「で?どうすんの?柚季」

「……説得する」

「無理でしょ」

「やる」

「じゃあ、病院にいる」

「それこそ無理でしょ?」

「私だから、大丈夫」

「……そうだね」

なんか変に説得力があって、思わず肯定した。
< 74 / 97 >

この作品をシェア

pagetop