【完】スノードロップ ~希望~
「柚季、笑うなよ」

「や、だって奏多、いっつもいじられてるから、面白くって」

「ひでーな」

「だって~」

「いいじゃん。もっと笑っていいよ、柚季」

「うん」

「『うん』じゃねぇーよ、このっ!」

そう言って、奏多は私の頭をかき乱された

「きゃっ!んもう……髪の毛ぐちゃぐちゃ……。女の子、いじめちゃダメでしょ?奏多」

「ったく……。柚季だし、許してやるか」

「やったー」

「なんでいっつも柚季だけ許すのよ」

「別にいいだろ?」

「……お仕置き」

「ちょっ、それだけはまじ勘弁」

「問答無用よ!」

「勘弁しろよ!」

「あっ!逃げるな、このバカ奏多!!」

「そんなこと言われたら、誰だって逃げるっつーの!」

「うふふ、楽しそう」

「そうか?俺には、鬼と羊に見えるけど」

=怖いってことなんだ

「誰が鬼ですってー?」

「やべっ!あいつ、地獄耳なんだった」

あと、ドSもね

ちなみに、ここから菜々美のいる所まで、20m離れてる

「もう2人まとめてお仕置きー!」

「こえっ!」

私たちは、いつもこんな感じ

いつも一緒にいて、一緒に遊んで、一緒に騒いで……

すっごく楽しい

私は、この毎日が大好き

みんなと一緒にいるこの時間が大好き

こんな毎日がずっと続けばいいのに……

でもこの幸せな日々の終わりは、刻一刻と近づいていた

そのことを私たちが気づくのは、もうちょっと先のことだった
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