【完】スノードロップ ~希望~
「柚季!」

「……悠真……奏多……」

今会いたくない2人が来た。

「大丈夫か?」

奏多にそう言われて、目を逸らして、

「うん」

って答えた。

「……悠真。ちょっと私に付き合って」

「えっ、ちょっ!」

菜々美は急に悠真を連れて、外に出ていった。

「……」

2人っきり……。

奏多とか気まずすぎる……。

「……なぁ、柚季」

急に奏多が話しかけてきた。

「何?」

「なんか、抱えてることとかあったら、なんでも言えよ。ちゃんと聞くから」

「!」

……そんなこと言われたら、全部出ちゃうじゃない。

今まで、閉じ込めてたのに……。

そう思ったら、いつの間にか頬を涙が伝っていた。

「柚季?」

「……奏多……」

私は体を起こした。

奏多はそれに気づいて、背中を支えてくれた。

それだけの優しさでも温かさを感じて、余計に泣きそうだった。
< 83 / 97 >

この作品をシェア

pagetop