【完】スノードロップ ~希望~
「……抱きしめて……」

弱く、小さくそう言った。

「……あぁ」

ギュ……。

奏多は抱きしめて、頭をなでてくれた。

安心する。

温かい……。

「……怖い……」

私は思ってることを全て話した。

「死ぬのが……怖い……」

そう言うと、奏多はより強く抱きしめてくれた。

琉衣ちゃんはどんな思いで死んだんだろう。

余命を宣告されてるってこんなにも苦しいんだ。

当時、10歳だった琉衣ちゃんは、きっと私よりも苦しい思いをしてたはず。

だって、16歳の私がこんなにも辛いんだもん。
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