恋にはならないわたしたち
「・・・ってか酔っ払いは殴ってでも止めたら良かったやん!!」
「据え膳はおいしくいただくやろ、フツー」
背がデカくて、胸も腰も申し訳程度、女性らしい丸みもない抱き心地が良いとは思えない身体の何処に欲情ポイントがあったのだ・・・瑞穂の自己評価は地を這うというか地球の反対側まで掘ってしまいそうなほど低い。
しかしいつも必要最低限の言葉しか話さない男が今はよく喋る。
5年も同期の友人として付き合ってきた瑞穂に三池が無体なことをする訳ないのは知っている。
事後の気怠さはあるものの、無理矢理身体を開かれたようなそんな気配が自分にないことも瑞穂には分かっている。
裸のまま、辛うじて下半身を隠して三池は面白そうに瑞穂を見ている。
よし!
なかったことにしよう!
甘酸っぱい若かりし日の思い出だ。
極上のイケメンと一夜を共に出来たのだ、年取ってから武勇伝の一つにしよう。
「真木?」
「ごめん、三池。ご満足いただける商品ではなかったと思いますが、ヤバい病気とかもないし
地蔵のように口も固いし安心して」