恋にはならないわたしたち
ご利用は計画的に。
腹減ったなと三池が買いに行ったパンが数種類テーブルに並んでいる。
高層マンションの1LDK、1度だけ来たことのあるこの部屋はリビングの窓の外に同じような高層マンションやビジネスビルが見える。そう言えば三池は銀行まで歩いて通っていたなと思い出す。
目の前にコーヒーの入った白いマグカップが置かれた。
白いTシャツに黒のハーフパンツ。
そんなカッコでも男前だ。
「家に連絡した?」
「27の娘なんてそんな心配してへんけど一応したよ」
下着は洗濯乾燥機の中。
瑞穂は三池の薄いブルーのパジャマを借りている。
コーヒーを一口飲み、並べられたパンの中から野菜サンドを取り上げパッケージを開けた。
腰がダルい。
おぼっちゃまは絶倫だった。
昨夜のことはハッキリ覚えていないけど朝からのことは脳に刻んだ。
「食って下着が乾いたら出かけるぞ」
「は?」
「今日は付き合って貰う」
「ーーーー・・・疲れてんだけど?朝から盛られて」
ジトリと三池を睨む。
「お前に拒否権はない」