恋にはならないわたしたち
「イケメンすぎる」
「ウチのDNAにケチつけんな」
「あ・・・頭良すぎ、仕事出来すぎ」
「弛まない努力を褒めろ」
何なの、この男。
「・・・お家が凄すぎる。ウチは由緒正しいスーパー庶民やもん」
三池がおや、という顔をする。
「・・・言うたことなかったけど、オレの家のこと知ってたんや」
「・・・何年か前の飲み会で崎田が・・・」
「知ったんやったらそこはグイグイくるところやろ」
「・・・そんなことしたらばっさり切り捨てるクセに」
見かけで寄ってくる女の子たちを全く相手にしてなかったのにどの口がそんなこと言うんだろう。
「お前やったらせえへん」
瞳を目一杯見開いて、瑞穂が三池を凝視する。
「お前の恋心を利用したって言うんならそうかもしらん。好きやと自覚した女がしどけなく自分の前でオレへの好意を垂れ流してて、それで付け込まへん男がおったらどんなヘタレやねんって話やろ」
「た、垂れ流し・・・っ?」
何をした自分!と瑞穂は青くなった。